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ククリア王国 ユウタロウの日記3

【サンチャゴさん。】

隣に住んでいるサンチャゴ・タラレクさん。
僕が移住してきてから、何かとお世話になっているひとだ。
香水のかおり
この国に住むひとたちはみんな、とてもいい香りがするんだ。
市場には香水が売っているんだよね。
おしゃれなサンチャゴさんも、いつも身につけているみたい。

彼は農場員をしている。
サンチャゴさん、農場員。
「農場の仕事って、おもしろい?」
「あぁ。ラダの世話や、ココイたちの糞を肥料として果樹園に撒いたりもするんだぞ。」
「え?糞も???」
「そうだよ。生き物だから、糞をするのは当たり前だろう?」

サンチャゴさんは、いつの間にか白髪になっていた。
自宅に行くんだよ
「ぼくも、もう27だからね」
「渋くてかっこいいよ!」

いむの糞がほしいって言われたときにはびっくりしたけどね。
いむの糞て!!!
そんなの何にするつもりだったんだろう?
ココイの糞と同じく、果樹園の肥料にするつもりだったんだろうか?

結局、サンチャゴさんが指定した日までには届けられなかったのだけれど。


そういえば、サンチャゴさんから子供が出来たんだって話を聞かないんだ。
半年前に結婚をしている新婚さんなら、そろそろ奥さんのおなかが大きくなり始めてもいい頃だと思うのに…。

でも、奥さんの年齢もサンチャゴさんと同じ26歳。僕は嫌な予感がしていた。


そして…その日がやってきてしまった。
レティーシャさん危篤。
レティーシャさん

サンチャゴさんは、静かに椅子にすわったまま、お見舞いに来てくれるひとたちに丁寧に挨拶していた。
お見舞いのひとたち

女王陛下も直々にお見舞いに駆けつけた後、なんといむまでラティーシャさんの様子を見に来ていた。
いむのお見舞い。
この国の子供たちは、とても繊細みたいだ。
アンドリューくんは、学校が始まるまでのあいだ、ずっとサンチャゴさんの様子を伺っていた。
どんな関係なんだろうか?

空気を読まないウイコちゃんが愛おしい。
ウイコちゃん…///

それにしても、移住してきて始めての危篤者が友人の奥さんだなんて…。
僕もすごく悲しい。

ラティーシャさんは、その日の午後には息を引き取り、棺におさめられてしまい、
カルナの乙女が棺を運び始めると、サンチャゴさんはがっくりと肩を落としてしまった。

夕方に葬儀があり、もちろん僕も出席したけれど、友人が涙を拭う姿を見守ることさえ、僕は出来なかったんだ。
レティーシャさんの葬儀

けれど、ラティーシャさんの幸せそうな微笑みだけは、僕は忘れることはないだろう…。
タラレク夫婦には短い時間だったかもしれないけれど、限られた時間だったということは、彼らが結婚を決意したときにはもう気づいていたはずだ…。

そしてふたりはきっと、後悔なんてしていないはずだと、僕は思う。

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